一番星みつけた(歯科学生の日常)

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2014.07.14 Monday

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2014.02.11 Tuesday

戦時下の歯科  (勝敗は歯ブラシが握る?!)

これまた凄まじい本を見つけてしまった



「歯と民族文化」という

それらしい題名に私の鼻が

くくっと動いた

そして手に取り、とりあえず

一番後ろのページを見ると



昭和十八年一月一日発行

とあった!

ドンピシャ!

私の眼は輝いた

「天佑書房」という名も

そう見ればそれっぽい



昭和十八年といえば

大東亜戦争の真っただ中

この本は、まさしく戦争中に

書かれ印刷され販売されたものなのである



ちなみに、この本の出版された

前の年の昭和十七年六月には

ミッドウェー海戦がおこり



この本の出版された

昭和十八年の二月にはガ島撤退開始

まさに勝ち戦が一転して

負け戦となっていく

最中に出された一冊なのである

(国民は敗勢を知る由もなかったが)



ぺりっと表紙をめくると

まず最初に歯にまつわる

明治天皇のエピソードが掲載されていた



昭和初期の書籍も

ブログに掲載していない物も

ある程度目を通したが

こういった天皇・皇族にまつわる

エピソードはわざわざ書き出されてはいなかった

これもやはり「時局」だろうか?と思わせるページだ



この明治天皇の畏れ多い逸話の引用を経て

まず「自序」から始まる



「自序」では、この本の題名を

どうするかと悩んだ筆者の苦労話が

冒頭から長々と書き記されている



読んでいて思ったのは…



この筆者、読みやすいし

歯切れが良く小気味いい

…これは試験が終わったら

きちんと借りて読む価値はありそうだ



普通、本の題名を考えるとき

「歯歯歯」という題名を

思いついても、それをわざわざ書き出しはしない

と思うのだが、それをしっかりと

自序で題名候補として書き出しておきながら

「可笑しくない時の笑に類する」と

自らでバッサリ切り捨てているあたり

この筆者、なかなか小粋である



しかし、今は試験期間なので

筆者の薦める通りに

気になった項目だけ斜め読みした次第である



そこで、私が目にとまったのが

戦前の歯科医師会が制定した

「六月四日」の「むし歯予防デー」

に関する随筆である



戦前の歯科医師会で

1928〜1938年の

10年間だけ制定されていた



筆者は「6=む」「4=し」で

むし歯と洒落て制定されたことが

気に入らない模様

   もしさうだとすれば、ヨタも甚だしい。

   六月四日の八時とでもいつたら一層完璧であらう。


皮肉たっぷりにばっさり

さらに「デー」という言葉も気に食わないようで

   仏蘭西語のサイコロと間違へる。

と、言いきってしまう切れ味のよさ



どうして、ここまでして気に入らないのかというと

続きの文章を読んでいると

筆者の胸中をうかがい知れる

   虫歯の予防、民族病としての虫歯の駆逐、

   極めて大きな国家的なテーマである。

   だが、それは当分の間、

   病理学者のジミな研究室内の脳細胞に準拠することが、

   より根本的な問題ではないだらうか。


なるほど、「国家的なテーマ」を

ジョークで騒ぎ立てても解決になどならない

という点で不機嫌になられているようだ

   虫歯の早期処置、火事はボヤの内にのスローガンなら

   歯科臨床家の領域であらう。

   が、こと予防や撲滅の民族対策といふことになると、

   演説や、紙芝居や、古色蒼然たる映画では、仲々。

ふむ

筆者の不機嫌のモトは

どうやら「古色蒼然たる映画」にありそうだ



だが、虫歯の予防となると

やはり歯磨きの推奨をイメージしてしまうし

それは非常に効果的な予防法ではないだろうか?

筆者はより具体的にして抜本的な

かつ学術的な対策が必要だと言っているのだろうか?

どうも私には歯磨きを推奨することに

特に問題点はないように思えるのだが…

   この映画を見ると、歯の病気はこわい。

   全身病と関係がある。歯を磨け、歯を磨け。

   そうして良く見ると、

   歯磨本舗の出資映画であることが解り、

   本舗の御用学者が出て来る。

   そこで、成程とうなづくのである。

   (中略)

   だから、本舗の商品は売れ、歯科医は患者が増し、

   めでたしめでたしといふことになる。

   歯科医師会と本舗とが、

   六四八サイコロの原動力となるのは、

   ここでまた、成る程と肯かせられるのである。

  
なるほど、ここまで来て

ようやく筆者の言わんとしていることが

少しだけ解ったような気がする



筆者は「虫歯予防デー」における

「口を清潔に保てといふこと」や

「栄養食事の指導」などの

努力と業績は評価し

「食料経済といふ国家的な問題としても

可なり有効な効果を導いたことと思ふ。」

と認めている



どうやら、筆者は

「虫歯予防デー」による歯磨きの推奨は

国民をいたずらに怖がらせて

そこにつけこむ形で

歯ブラシ会社の利益の向上と

歯科医師の売上の向上ばかり

図られており

非常に「商業主義的」である!

ということが言いたいようだ

(なんだか、戦前から歯ブラシ会社と

歯科医師の立ち振る舞いは

良くも悪くも

あまり変わらないのだなぁ、と

変に感心させられてしまった 笑)




とはいえ、これも「古い時代の話」で

「世をあげて、アメリカ思想、自由主義の

横行した時代の物語なのである。」として

先ほどまでの歯科医師会や歯ブラシ会社への

戦後社会にも通じるような

商業主義への痛烈な批判から一転

批判や文句は、さり気無く

欧米批判へシフトすることとなる(笑)



「今では口腔衛生のイデオロギーも

すつかり変わつてゐる。」とし

別の学者の文書を引用して

「歯磨の年中行事を援助ばかりしてゐるやうな

歯科医師会でありたくない」としている



さて、すっかり変わった

「口腔衛生のイデオロギー」とはなんだろうか?

残念ながら、具体的な記述がないため

行間を読み解いていくしかあるまい



「むし歯予防デー」の功績を認めながら

咀嚼が非常に栄養吸収に効果的であることを

述べながら筆者の心配は

なんと、前線の兵士たちへ向けられる



   只、大東亜戦となり、

   幾百万かの日本人が、南に北に、

   西に東に、恐らくは歯磨道具を持たずに

   挺身努力してゐる今、

   歯磨と歯刷子とが、昔のままで、

   無反省に過されてよからうかと思ふのである。




なるほど、戦時下にあり

考え方(イデオロギー)も大きく

変わってきてはいるものの

未だに歯ブラシ会社や歯科医師会の

商業主義的な側面はぬぐえないため

前線の兵士たちも

しっかりと歯磨きを行えるように

検討・努力すべきだ!と言っているようだ



さらに言えば

歯ブラシを無償で戦線に配布して

しかるべきだ

という筆者の熱い思いすら伺えるような気がする



なぜなら

敵米兵に対しては



   アメリカの兵隊から、歯磨を取り上げたら、

   それだけでも恐らくは敗けて仕舞うだらう。


と別項目で書き記してあるからである



戦時下の歯科医師が考える

戦争の必勝法とは

皇軍兵士に歯ブラシを支給し

米兵の歯ブラシを奪い取ること!


であったと言えそうである



そうすれば、皇軍兵士は

より良い咀嚼を実現でき

より効率的に栄養を摂取し

より強靭になったはずだった



そうすれば、米軍兵士は

たちまち口腔病におちいり

敗北していったはずであった



歯ブラシの存在が

大東亜戦争の勝敗を分けた

といっても

過言ではないかもしれない?!



…んな馬鹿な



ということで「歯と民族文化」

これからもチョクチョク

読み進めていきたい


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2014.07.14 Monday

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2017/07/08 11:14 PM by サディ

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